日本では、配偶者が亡くなった後も生活基盤を安定させるため、特に高齢配偶者の住居確保や生活保障のためにいくつかの税制や民法上の制度が整備されています。ここでは、配偶者の住居確保を支援する制度と遺族年金制度の概要、さらにそれらに関する相談のポイントをわかりやすく解説します。

1. 配偶者の住居確保
配偶者を亡くした際、住まいの確保は生活の安定にとって極めて重要です。日本には、残された配偶者の住居を守るために次の3つの制度が設けられています。

1.1 贈与税の配偶者控除
婚姻期間が20年以上の夫婦で、居住用不動産やその購入資金を贈与する際、贈与税の課税価格から最大2,000万円を控除できる制度です。この制度を活用することで、配偶者が贈与税の負担を軽減しながら住まいを確保することが可能です。
ポイント:
- 婚姻期間が20年以上であることが条件。
- 贈与された不動産は国内にあり、贈与を受けた配偶者が翌年3月15日までに居住し続けることが求められます。
- 一生に一度しか適用できません。
贈与税の配偶者控除を利用すると相続時の贈与部分が相続財産に加算されないメリットがありますが、相続財産として取得する方が有利な場合もあるため、状況に応じた判断が必要です。
1.2 配偶者居住権
配偶者居住権は、配偶者が亡くなった後も、遺された配偶者が終身または一定期間、賃料なしで住み続けることができる権利です。これは、特に高齢者にとって大きな支えとなる制度です。
ポイント:
- 遺言や遺産分割協議などで配偶者居住権が認められることが多い。
- 居住権を得ることで、他の相続財産(預貯金など)を多く確保できる。
- ただし、第三者への譲渡や賃貸には制限があり、家族の同意が必要となるケースもあります。
1.3 居住用不動産の持ち戻し免除
婚姻期間が20年以上の夫婦間で行われた居住用不動産の贈与や遺贈については、「持ち戻し免除」として扱われます。これにより、贈与された財産が遺産分割の際に特別受益として考慮されないため、より多くの財産を遺された配偶者が取得できる可能性があります。
2. 遺族年金制度
遺族年金は、家族を失った後の生活を支える重要な年金制度です。働き手や年金受給者が亡くなった際、一定の遺族に対して「遺族基礎年金」や「遺族厚生年金」が支給されます。
遺族年金は、家族を失った後の生活を支える重要な年金制度です。働き手や年金受給者が亡くなった際、一定の遺族に対して「遺族基礎年金」や「遺族厚生年金」が支給されます。

2.1 受給資格
遺族年金を受け取れるのは、原則として配偶者や子ども、場合によっては父母や祖父母も含まれます。年金額や支給対象は、死亡した人の加入していた年金制度や遺族の年齢、収入によって異なります。

ポイント:
- 子どもや孫には年齢制限があり、18歳未満であることが条件です。
- 生計維持が条件となるため、年収が850万円未満であることが必要です。
2.2 遺族基礎年金
国民年金に加入していた被保険者が死亡した場合、その配偶者や子どもが遺族基礎年金を受け取ることができます。年金額は一律で、さらに子どもがいる場合には加算額が支給されます。
2.3 遺族厚生年金
厚生年金に加入していた被保険者が亡くなった場合、配偶者や子どもが遺族厚生年金を受け取ることができます。遺族厚生年金は、死亡した人が受給するはずだった老齢厚生年金の一部が支給されます。また、中高齢の寡婦には加算額が適用されることもあります。

3. 相談のポイント
遺族年金や住居確保に関する相談を受ける際は、次の点に注意が必要です。
- 他の年金給付との併給: 老齢年金や他の年金との併給が可能かどうか、またその際の受給額にどのような影響があるかを確認する必要があります。
- 受給タイミングの調整: 遺族年金の受給開始時期と老齢年金の繰り上げ・繰り下げ受給との関係を考慮し、最適な受給タイミングを検討しましょう。
- 制度改正の動向: 遺族年金制度は法改正が議論されており、最新情報を常にチェックすることが重要です。
まとめ
配偶者の住居確保や遺族年金は、残された家族の生活を守るための重要な制度です。これらの制度を理解し、活用することで安心した生活基盤を築くことが可能です。個々の状況に応じた適切なアドバイスを行い、最善の選択をサポートすることが大切です。詳しくはぜひご相談ください。
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